イーナ・ムービーズのロケ地をご紹介します。
伊那市ではどこにいても二つのアルプスを感じることができます。

二つのアルプス(山岳景観)

伊那谷は、日本列島のほぼ真ん中に位置しています。諏訪湖から太平洋まで、およそ213キロメートル流れくだる天竜川を背骨に、その両側に連なる中央アルプス、南アルプスに囲まれた山岳地帯です。伊那市街地からは、三千メートル級の山を8座のぞむことができる、世界でも数少ない山岳景観を誇る地域でもあります。
朝、漆黒の南アルプスからのぼった朝日が、向かい合う中央アルプスの峰を照らします。夕刻、今度は中央アルプスに沈む夕日が、南アルプスを赤く染めていきます。その繰り返しの中に、私たちの日々の営みがあります。
その風景は、古くから多くの山人を魅きつけ、登山道が開かれました。そのひとり、竹澤長衛翁は、いくつもの登山道や山小屋を開き、山岳界にその名を知られます。毎年7月、北沢峠(伊那市長谷と山梨県境の峠。仙丈ケ岳や東駒ヶ岳などの登山口)でその功績を讃える長衛祭がおこなわれています。その北沢峠には、伊那市長谷側、山梨県側へと通じる南アルプス林道が通っています。マイカーが規制され、登山の時期のみバスが運行されています。自然エネルギーを活用した山小屋など、自然に出来る限り配慮する取り組みは、現在も続けられています。
また、中央アルプス将棊頭山近くにある旧伊那小屋、現在の西駒山荘は、登山口にある小さな集落の人々が建設、運営してきた歴史があります。その思いを受け継ぎながら、中央アルプスの静かな山小屋として、人気の宿になりました。
二つのアルプス。ここは、行って、見て、登って、何度でも感じたい風景でもあります。稜線を歩けば、その先へ気持ちよく広がるパノラマ。南アルプスは全域がユネスコエコパークに登録され、ジオパークの認定(中央構造線エリア)も受けました。自然の雄大さに抱かれる場所、そして地球の不思議さを体感できる場所です。

高遠城址

「天下第一の桜」とも称される高遠城址の桜は、濃い桜色と小ぶりな花が特徴のタカトオコヒガンザクラです。約1500本の桜が満開を迎えると、まるで城址が大きな桜色の雲のように浮かびあがります。老木の枝が大きく垂れ下がる桜雲橋や、幾重にも重なる枝の間からのぞむ残雪の中央アルプスなど、春の絶景が広がります。
名君として知られる保科正之公は、ここ高遠で育ち、高遠藩主となりました。のちに会津藩主となり、徳川幕府の礎を築いたと言われる偉人です。明治の時代となり、その城址に旧藩士たちが植えた桜が、今や「天下第一の桜」として知られるようになったのです。民の幸せのためにつくした正之公の心持ちが、あふれんばかりの桜となって私たちを楽しませてくれています。
そして、現代では、この桜を守り育てるため、専門技術を持った桜守の皆さんが活躍しています。短い花の季節を楽しむだけでなく、大切な桜の風景を守るために、一年を通じて手入れをしています。また、桜守の技術を伝承して、地域内にある桜一本一本にも手をかけていこうと、市民向けの桜守講習もおこなわれています。
高遠城址を含むこの古い城下町は、平成27年、日本で最も美しい村連合の認定を受けました。初夏の新緑、そして秋の紅葉。満開の季節だけでなく、四季折々に移り変わる表情にも出会える、そして先人たちの思い、歴史にも出会うことができる場所です。

美しいグリーンベルト(河岸段丘)

夏。伊那市街地の高台に足を運ぶと、まず目にするのは緑の回廊、グリーンベルトです。これは、何万年もかけて大地が営みを重ね、自然がもたらしてくれた恵みの風景です。山が隆起し、そこから流れ下る川が豊穣な土を運びながら、幾重もの段丘を作りました。その斜面には帯のように樹林帯が伸び、段丘のそこかしこから伏流水として豊富な水が流れだします。何万年という大地の胎動が、目の前に広がるのです。
その恵みをいただきながら、稲作、果樹、野菜など豊かな農産物を産しています。中でも三峰川下流域で栽培される米は「川くだり米」と称され、南アルプスから流れるミネラル豊富な水と豊穣な土の恵みを受けたそのおいしさは日本じゅうに知られるようになりました。また、アルストロメリアをはじめとする花卉栽培は、全国有数の生産量と質を誇る産業に成長。伊那市内の小学校では、地域の花卉栽培を通してふるさとを学ぶ「花育」の学習も始まっています。
その学びの場、小学校や中学校、高校などは、その多くがグリーンベルトに沿うように配置され、いずれの学び舎からも四季折々の豊かな自然を感じることができます。子どもを連れて散歩をすればそこに日陰を作ってくれるグリーンベルト。孫と歩けば、グリーンベルトが織りなす悠久の自然が迎えてくれます。
伊那市内から関東首都圏、名古屋までいずれも車で三時間程度。リニア中央新幹線が開通すれば、首都圏、また海外との距離も近くなります。豊かに暮らしながら、最先端の情報、交流が可能な地域として可能性が広がっていきます。
伊那谷は古来より自然と共にありました。その記憶を忘れず未来に生かす努力は今も続けられています。自然と調和する暮らしが、ここにはあります。

トンボの楽園

日本最小のトンボ、ハッチョウトンボは一円玉ほどの大きさです。かつて、日本の農村ではよく見られましたが、環境の変化によって稀少な存在になりました。日当たりがよく、美しい水が湧く場所を好むこのハッチョウトンボの楽園があるのが、伊那市新山地区です。夏になるとこのトンボの楽園には、ハッチョウトンボだけでなく、他のトンボの仲間たちや水性昆虫が命を育み、その姿を見せてくれます。自然をそのままに、最低限の整備によって、その数はさらに増えました。子どもたちの自然学習の場としても活用されています。
市街地から車で20分ほどやまあいに入った新山地区は、全戸がPTAに所属するなどして地域ぐるみで子どもたちを育てる環境を整え、今では市内外からの移住定住者が集まっています。田舎暮らしモデル地域の認定も受け、全住民参加による新山まつりの開催など、古きよき日本の暮らしを大切に守り育てています。
平成27年、この新山地区に伊那谷産の木材を使用した田舎暮らしモデルハウスが完成しました。地域の間伐材などを有効に使い、家族構成により間取りを自由に変えられる構造で、低価格で住宅を提供するほか、移住希望者のおためし居住として活用できる移住者受入れの環境整備のひとつです。昔ながらの暮らしのあたたかさ、豊かさをまるごと感じることができる新山地区で、ハッチョウトンボも子どもたちもすこやかに育っています。

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高遠町総合支所
〒396-0292 長野県伊那市高遠町西高遠 1806 番地
電話 :0265-94-2551
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電話 :0265-98-2211