伊那市に受け継がれる歴史・文化、地域性を活かし豊かな自然と触れあう教育風土、
そして伊那市として力を入れている子育て支援の取り組みなどをご紹介します。

安全安心!
豊かな子育て環境

子どもは地域の宝、未来からの大切な預かりものです。

「子育てするならどうぞ伊那市へ」—妊娠から出産、育児まで楽しく子育てできる環境整備を進めています。
妊娠期の健診補助やハッピーバース講座、出産後のサポート事業で妊娠・出産を応援します。また、新生児のお宅を1軒1軒訪問したり、乳幼児健診を行うなかでお母さんの不安や悩みをお聴きしてサポートしています。
市内4カ所に設けられた子育て支援センターは、子どもたちが安心して走り回れる広いリズム室や廊下など、ゆったりとした遊びのスペースはもちろん、砂場遊びや夏はプール遊びができます。読み聞かせや、リトミック、育児相談などの講座も充実していて、親子でリフレッシュできます。
また、常駐している保育士に相談したり、お母さん同士で子育てについて語りあうことで、楽しい子育てにつながります。

保育園では、自然や保育園内の環境をいかし「あーおもしろかった!」という遊びを中心としたさまざまな体験を通じ、『生きる力』のある子どもを育んでいます。また、地域の方から野菜づくりや昔の遊びを教えてもらうなど、すべての保育園が地域とつながりを持ち、みんなで子どもを育てています。高齢者のみなさんなどと交流することで、子どもたちは世代を超えた人とのつながりを自然と経験しています。さらに、園児と小学生が交流したり、保育士や教員が相互参観したりすることで、保育園から小学校へ子どもの育ちがつながる連携した取り組みが行われています。伊那の保育園では、魅力あふれる素材や特色をいかした経験がたくさんできます。

郷土の味!伊那に伝わる食文化

今から千三百年ほど前のことです。修行のため、中央アルプス駒ケ岳を目指すひとりの行者がいました。伝説の修験者「役小角(えんのおずぬ)」です。駒ケ岳を登る前に、伊那市内の萱(小黒川の上流)で、村人たちに手厚い歓迎を受けました。その際、お礼に置いていったのが、蕎麦で、以来、この村では蕎麦を大切に育て、美味しく食べるようになったという伝説が残っています。その蕎麦が、信州全体に広がったとも言われ、ここ伊那市は信州蕎麦発祥の地、とも言われるようになりました。内の萱では、毎秋、行者そば祭りを開いて、役小角を偲びながら、蕎麦を味わっています。
一方、その時代から九百年の時を過ぎ、高遠城を治めた保科正之公は、とりわけ蕎麦を好みました。地元の特産品である高遠辛味大根と焼き味噌で食べる「高遠そば」は、この地ならではの食べ方です。正之公は、その後会津藩主となりましたが、その際、そば職人たちを連れて行きました。そのため、会津地方では、今でも蕎麦屋に入ると「高遠そば」というお品書きがあります。
また、高遠からさらに奥、芝平という地区で伝えられた「芝平そば」など、各地でそれぞれの味と技術を伝承しながら、蕎麦を味わう楽しみを続けているのです。
また、信州各地で独自の味を伝えている「おやき」がありますが、ここ伊那のおやきは米の粉で作ります。もちっとした感触が嬉しい味です。他にも、馬のモツを煮込んだ「おたぐり」など、伊那ならではの郷土食は、各家庭で、また地域で、受け継がれています。

地域に受け継がれる歴史文化 1

伊那市内には、秋葉街道、三州街道、権兵衛街道、羽広道、法華道など旧街道がたくさん残っています。古くから人々の往来が盛んな土地柄でした。そこには、文化や人の交流が生まれ、生活物資や生産物の輸送路としての機能、信仰の道としても重要な役割を果たしていました。街道の隆盛とともに多くの建造物も作られ、往時の歴史を今に伝えています。
秋葉街道と法華道が出会うあたり、伊那市長谷地区にある熱田神社は、国の重要文化財です。尾張地方にある熱田神社の形影(三方三つ辻)をお迎えして、産土神として祀ったのがはじまりとされています。「信濃なる伊那てう里の片辺にもめぐみ熱田の神の御柱」と歌にも詠まれています。特に、建物の随所に見られる見事な彫刻で広く知られ、伊那の日光とも称されています。
一方、権兵衛街道から羽広道に向かうと、馬の寺、仲仙寺があります。かつて伊那谷では、中馬(ちゅうま)と呼ばれる運搬のための馬が活躍していました。また、農家にとっては農耕馬としても大切な存在です。家族同様の馬の健康を願い、また亡くなったあとには馬の墓さえも建立していました。人々が馬のために祈ったのが、仲仙寺です。伊那市内からだけでなく、近隣からも馬のために多くの人々が仲仙寺を訪れ、その道は今でも「はびろ道」と呼ばれて親しまれています。
馬のために建立された馬頭観音や、石仏、道祖神など、伊那谷には高遠石工と呼ばれる石工集団の作品がたくさんあることも知られています。日本の石工の中で最高峰とも言われる名工守屋貞治は、高遠出身。その弟子たちも含め、高遠石工が刻んだ名品は、伊那谷各地で見ることができます。材料の石の産地だったこともありますが、何より先人たちの祈りの心を今に伝える石仏たちです。

地域に受け継がれる歴史文化 2

歌舞伎は、江戸時代から伝わる日本が誇る伝統です。中でも農村歌舞伎は、江戸時代に旅役者たちが日本各地に広めたとされていますが、伊那谷から岐阜地方にかけて、特にたくさんの農村歌舞伎が今でも上演されていることで知られています。
伊那市長谷中尾の中尾歌舞伎は、専門の伝習施設である「中尾座」で春と秋に定期的に上演されているほか、小学校などでの出前上演もおこなわれています。役者は、地区の住民です。男性も女性も、子供たちも、役者として舞台に上がります。江戸時代から、明治、大正、昭和、そして平成まで、地域の皆さんによって、受け継がれてきました。
いつもは市役所に勤めている青年が、隈取りをして見栄を切り、いつも農作業をしているお爺さんが三味線を弾き、あの家の子供たちが着物姿で堂々と舞台に登場するーそして、客席からは「よ、日本一!」の掛け声とおひねり。演目によっては、役者たちの熱演が客席の涙を誘います。活気あふれる「中尾座」定期公演は、毎回満員御礼です。
また、高遠町の鉾持神社の秋の例祭「灯籠祭」も、伝統ある行事です。豊作や息災を祈るこの祭りでは、稲穂に見立てた赤い鬼灯提灯が商店街を彩り、その中をゆったりと高遠囃子の行列が進んでいきます。城下町高遠の古い町並みの中を進んでいくその姿は、江戸時代の趣さえあります。城下町高遠の中心部は、歩いて一周できるほどの広さです。城下町ならではの狭い小路や、歴史ある建物、石仏などを巡り、その風情あふれるたたずまいと高遠そばを味わう。そんな一日を存分に楽しむことができます。

世代を超えて愛されるお祭り

文化は祭りが運んできた、そしてまた次の世代へ運んでいくものだといいます。祭りには、その様式、衣装、歴史背景、伝統技能などさまざまな要素がありますが、ここ伊那谷は古代からの歴史と古道の交差点でもあったことから、柔軟に人々を迎え入れ、また先人の足跡を伝承し続ける祭りが守り伝えられています。子どもたちが参加できる祭りも数多く、世代をこえて、ふるさとの文化や、伝える人々に触れることができる機会がたくさんあります。
年明け早々、西箕輪羽広地区でおこなわれるのは、伝統の獅子舞。約400年の歴史があります。馬の寺としても全国に知られる仲仙寺境内で、雄、雌の二頭の獅子が勇壮に「舞い合わせ」を奉納し、続いて地区内の家々を回って舞い踊ります。毎年恒例の年頭の行事です。家に獅子がやってきて安泰を祈ってくれる―この地域で育つ子どもたちにとって大切な原風景です。
伊那まつりは毎年8月初旬におこなわれます。伊那市内の地区や学校、商店街などの単位で踊りに参加しています。伝統の伊那節のほかに、若い世代でも参加しやすいアップテンポの踊りも加わりました。市街地の中央を流れる天竜川の河川敷で打ち上げられる花火大会は圧巻です。
秋には、伊那市高遠地区で燈籠祭がおこなわれます。城下町高遠の面影を残す路地を、昔の装束で練り歩く、歴史あるまつりです。稲穂に見立てた赤いほうずき提灯が照らす街並みは、江戸時代にタイムスリップしたかのような風情があり、長野県内外から訪れるファンも多いまつりとして知られています。
他にも地区単位で伝承されているまつりが数多くあり、少子化の中にあっても、次の世代に伝えていこうと、地域ぐるみで参加し、楽しむ工夫が重ねられています。

大自然を舞台に学びと遊びを丸ごと体験!

三峰川は、天竜川最大の支流です。南アルプス仙丈ヶ岳の山懐から一滴がはじまり、伊那市街地で天竜川に合流しています。山岳地帯を流れる川ですが、高低差が少なく、おだやかな流れが瀬を作り、川遊びやキャンプなど清流を楽しませてくれるポイントに恵まれています。特にジオパークに認定されている三峰川一帯には、古代の地層の様子を知ることができる露頭もあり、ガイドツアーの企画も用意されています。家族で清流を楽しみながら、ふるさとの悠久の歴史にも触れることができる場所です。
一方、天竜川の西側、中央アルプスの山懐には、小黒川キャンプ場があります。家族用のケビンが用意され、緑の中で清流と川の幸、山の幸を味わえる環境が整っています。小黒川の源流は、中央アルプス将棊頭山近くにある頭の山腹。小黒川キャンプ場から車で数分上がると、中央アルプスへの登山口、桂木場があります。かつて桂の木が群生していたことからこの名があり、現在も登山口近くに残る桂の大木は、秋になるとその葉を鮮やかな黄色に染めます。小黒川渓谷は、紅葉の谷とも呼ばれ、紅葉の彩りを楽しむこともできます。
南アルプス、中央アルプスの登山口は、いずれも伊那市街地から30分から1時間以内程度で行くことができ、登山口近くには温泉などの施設もあります。
また、街中の公園や近所の小川などにぶらりと出かければ、森林に親しんだり、虫採りや植物の観察なども楽しめます。家族みんなで、大自然の懐に包まれる―そんな大切なかけがえのない時間がここにはいつでもすぐ隣りにあるのです。

伊那に住む

click

お問い合わせ

伊那市役所
〒396-8617 長野県伊那市下新田 3050 番地
代表電話:0265-78-4111
高遠町総合支所
〒396-0292 長野県伊那市高遠町西高遠 1806 番地
電話 :0265-94-2551
長谷総合支所
〒396-0402 長野県伊那市長谷溝口 1394 番地
電話 :0265-98-2211